特長
成人にみられるADHD関連の症状を診断するための面接ツール
当検査は、ADHD分野で30年以上臨床経験のあるコナーズ博士によって開発されました。海外で販売されている信頼性の高い評価尺度の日本語訳です。日本語版は浜松医科大学精神神経医学講座准教授の中村和彦監修で翻訳しました。質問紙のプロフィール表は、日本での調査データに基づいて作成しました。
■成人のADHDを診断する際には、現在の症状だけでなく、子どもの頃にADHDの症状があったかどうか確認する必要があります。そのため、CAADIDでは成人期と小児期の両方における症状によってADHDを診断できるように構成されています。
■パートⅠで「はい」(該当する)と回答した質問を中心に、臨床家は効率的に面接を進めることができます。
■パートⅡでは、「障害」のレベルを特定する項目が設けられています。この障害評定の定期的な利用により、対象者への治療効果を確認し、治療法の決定に役立てることができます。
■パートⅡは、ADHDの診断評価として使用するだけでなく、その後の経過を観察するために繰り返し使用することができます。
パートⅠ 生活歴(サイズA4判、ページ数20)
パートⅡ 診断基準(サイズA4判、ページ数32)
パートⅠは、対象者の家庭・学校・職場での様子や、成育歴、既往歴などの生活歴について、「はい/いいえ」または自由記述で回答します。パートⅡは、「直接話しかけられたときにしばしば聞いていないようにみえる」、「しばしば毎日の活動を忘れてしまう」など成人期と小児期の両方において問題となる症状を臨床家との面接で回答します。
【CAADID日本語版から分かること】
パートⅠの目的は、対象者の生活歴を簡潔かつ包括的に把握することにあります。背景情報/成育歴の記録、ADHD危険因子の有無の確認、併存障害のスクリーニング(基準E)をします。
パートⅡの目的は、対象者がDSM-IVのADHD基準A~Dに該当するかどうかを判断することにあります。基準A~Dについて評価した後、小児期と成人期それぞれについて、ADHDの診断を行ったうえで、ADHDのサブタイプ(不注意優勢型/多動性-衝動性優勢型/混合型)を評価します。
【活用方法】
病院(外来・入院)、精神科病院、クリニック、発達障害者支援センター、福祉施設等に関わる医師、臨床心理士、臨床発達心理士、ソーシャルワーカー、カウンセラーの利用を想定しています。
【医療・カウンセリング】
・問題の特定に
・治療法の決定に
・症状の経過観察に
・治療効果の測定に