特長
社会適応能力を評価する うつ病患者の社会復帰に特化した評価尺度です
うつ病の寛解と社会復帰の判断との間に、相当の乖離があるため、抑うつ状態と社会適応能力の両面を考慮した評価が求められてきました。1997年にBoscらはうつ病患者の社会復帰に特化した評価尺度として、SASS(Social Adaptation Self-evaluation Scale)を開発しました。SASS-JはSASS(Social Adaptation Self-evaluation Scale)の日本語版です。うつ病患者の社会機能の回復程度を見るための尺度です。
21項目 (実質的には20項目)で構成されており、得点が高いほど社会機能が良好であることを意味します。信頼性・妥当性について確認されています。
SASS-Jを用いた研究結果で、社会適応度はうつ症状の改善から少し遅れて改善することが示唆されています。
治療効果の判定には社会適応能力の評価も重要です。SASS-Jは臨床場面において、特に産業医学の観点から必要なツールです。
回答用紙には配点に関する情報が無いので、被検者は結果を気にせずありのままを回答することが期待できます。回答用紙に記入された回答は、記録用紙に転記されます。実施者は接着をはがして、記録用紙上で採点を行います。
記録用紙には項目内容と配点がわかりやすく示してあります。得点が逆転する項目の採点も確実に行えます。.