特長
管理職特に30代の若手中間管理職にメンタルヘルス不調者が多く見られることは随所で指摘されている。この時期は、部下だけでなく顧客や取引先との関係において、それまでは要求されなかったマネジメントスキルが必要となる。しかし、社内外における対人関係は、高いスキルを持っていてもすべてがうまくいくとは限らず、対人関係のストレスはますます強くなり、心の健康を害するケースが増大しているのが現状である。
このようなストレス状況に対処するためのトレーニングに、認知行動療法が非常に有効であることが最近の研究で明らかにされてきている。
認知行動療法をクライエントに適用するにあたり、クライエントの悩みを共感的に理解し、積極的に尊重すべきであることは論を待つまでもない。そのために必要となるのが心理アセスメント(評価・査定)である。心理アセスメントには、観察法、面接法、テスト法などあるが、MIBT:Management's Irrational Belief Test は、管理職の方が強くもちすぎると不適応の原因となる恐れのある、管理職特有の不合理な信念を測定するための質問紙である。
MIBTを実施することにより、クライエント自身でも気がつかなかった不合理な信念の中核的要素が明らかとなる。
MIBTで明らかになった管理職特有の不合理な信念を合理的な信念に変容させるために創られたのが、認知行動療法・実践カード〈管理職編〉である。このカードはMIBT項目と連動しており、MIBTの結果で見いだされた不合理な信念を同じ項目のカードを用いて、ストレスにも対応できる考え方を身につけていただきたい。