特長
ストレスへの対処行動を評価し、心身の健康に役立てる質問紙
CCISSの研究は、エンドラー博士とパーカー博士らを中心として1986年に始まりました。そして、1988年、CISSの前身であるMCI(Multidimensional Coping Inventory:多次元対処行動尺度)が作られました。その後、MCIはCISSへ名称を変え、1990年にカナダにあるMHS社から初版が出されました。成人版の質問紙は、現在第6版まで改訂されています。英語版だけでなく、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ヘブライ語など多言語に翻訳されています。
日本では、POMSの翻訳・構成を行った横山和仁が中心となり、2012年8月に日本語版を出版いたしました。
質問紙のプロフィール表は、日本での調査データに基づいて作成いたしました。
■理論的基盤と実証的基盤の双方に立脚した質問紙です。
■ストレス状況下で個人がどのような行動を取りやすいのか、ストレスへの対処スタイルを把握することができます。これが分かることで、検査者は被験者のどの対処スタイルに働きかけていけばいいのか、治療や介入の方針が立てやすくなります。また、被験者はより好ましい対処のしかたを検討していくことができます。
■CISSは、「課題優先対処」、「情動優先対処」、「回避優先対処」の3つの基本尺度から構成され、さらに回避優先対処は、「気分転換」と「対人的な気晴らし」という2つの下位尺度に分けられます。
質問項目一例
1. 課題優先対処:「行動を起こす前に問題を分析する」など16項目
2. 情動優先対処:「先延ばしにしたことで自分を責める」など16項目
3. 回避優先対処:「良かった頃のことを考える」など16項目
4. 気分転換:「何か買い物をする」など
5. 対人的な気晴らし:「友達に電話する」など
■テストバッテリー(TEG®、POMS™など)により、対象者を多方面からとらえることも可能
【活用方法】
対象者の課題や疾患などがストレスへの対処行動に起因しているかどうかを確認し、治療や指導・援助に活かすことができます。従って、医療、産業、教育、福祉、スポーツなど様々な分野で活用することができます。
活用例
●生活習慣病患者の対処スタイルからライフスタイル要因を検討する
●職員の職業上のストレスを評価し、業務効率の増加に役立てる
●スポーツ選手の対処戦略を理解し、パフォーマンスの向上を図る
●育児ストレスに悩む保護者のストレス対処行動を測定し、より適切な対処スタイルを探る
CISS :Coping Inventory for Stressful Situations