特長
自閉症・LD・ADHDなどの場面状況認知やソーシャルスキル獲得に困難を抱える子どもたちへの支援指導を念頭に作成した絵カードです。
●「身近な出来事の意味」や「場面・状況にふさわしい行動」、「相手の気持ち」等を学ぶことができ
ます。
●裏面には指導のヒントなどの簡単な説明が書かれています。
●幼年版は就学前、中高生版は中学生・高校生、他の絵カードは小学生を主な対象として作られ
ています。
小学校の低中学年頃までは見過ごされたり許されたりしていたその同じ行動が、年齢が進み、小学校の高学年、更に中高生にもなる頃には不適切と見なされ、非難の対象になってしまうことは良くあることです。
定型発達の子のほとんどは、今の自分には何が期待されているのかを察知し、周囲の人をお手本にすることで、ごく自然に大人としての行動を学び移行していくことができます。しかし、この絵カードに登場する子たちのように、それが難しい子もいるのです。その子たちには、それら一つひとつについて、丁寧に説明をして学ばせていくことが不可欠です。そうでなければ、自分の行動が、急に周囲の人たちから不適切であると指摘されるようになったことについて納得することはできないでしょう。
尚、この絵カードでは、犯罪など明らかに止めた方が良いことに対しては、「良くないことだからやめよう」ときっぱり言い切っていますが、その他のさまざまな慣習や価値観に関わることについては客観的な立場で説明をし、情報や選択肢を提供する立場を取っています。登場する人物は、“あなた”ではなく“この子”です。「この絵の子はこうしていますが、あなたはどうしたいですか、どうなりたいですか?」と、考える場を提供しているわけです。以上のことをご理解頂いた上で、このカードを活用して頂くと有り難いです。 (本文より抜粋)
【イラスト概要】
1. 可愛がってくれた祖母が亡くなった。「明日は、映画を見に行く予定になっている。前売
り券も買っている。お葬式には出られない」
2. 「お腹が痛~い。うんこ、行ってくるねぇ!」
3. 「ぼくは疲れているんだ! そこ、どいてください」
4. 「通り道に荷物を置いたのが悪い。ぼくは悪くないのだから謝る必要はない」
5. 「バスの中では、静かにしなければいけない。赤ちゃんがとてもうるさい。 静かにさせ
るよう、母親に注意しよう。
6. 「すみません。トイレを貸してください」
通りがかりの知らない家だけど、ここでトイレを貸してもらおう。
7. 「明日1時に、○○に来られる?」 「1時? 行かれると思うけど」
8. 「男の人の言う通りにしているだけで、お金がもらえるんだよ」
9. 「水泳部の部室から、あの子の下着を持って来れば良いんだね」
10. 「えっ、パンを買ってくるの?」
(次の授業が始まるけど……でも、たのまれたことはやってあげないといけないから)
11. 「さっきAさんが先生は教え方が下手だと言っていました。もっと、教え方を工夫した 方
が良いと思います」
(先生は知らないかもしれないから教えてあげよう)
12. 「晩ご飯を作っているようだ。栄養のバランスについて教えてあげよう」
13. 「ぼくは安物のクッキーはあまり好きではありません。今度は高級店のクッキーにしてく
ださい」
14. うるさいので泣きやませようとしただけ。殴ったけど、けがをしてしまうほど強くは殴って
いない。
15. 電車に乗っている間にお化粧するといいね。
16. 「ぼくが小さい頃から親切にしてくれた近所のお姉さん。大好きだから、ずうっと ついて
行こう」
17. (知らないお姉さんだけど) 胸をさわりたいな。
18. 「元気そうだって? うそつき。やせているし、青白い顔をしているじゃないか!」
19. 「飾り付けが終わったので、帰ります」
20. 「下着が見えていますよ」
(この人、下着が見えているのに気付いていないらしい。教えてあげなくては)
21. 「“押してください”と書いてあるので、押してみよう」
22. 「この本、順番通りにならんでいない!」
*この商品は一般の方でもご購入いただけます。