特長
最新の職業選択理論によるキャリア・ガイダンス用検査。
VPI職業興味検査の原版は、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学名誉教授のJohn L.Hollandによって開発されたVPI(Vocational Prefernce Inventory)であり、アメリカでは大学生のキャリア・ガイダンス用の検査として広く利用されています。この原版を独立行政法人労働政策研究・研修機構(旧・日本労働研究機構)が日本向きに翻案したものであり、日本版の開発にあたっては、ホランド理論の日本人への適用性をはじめ、様々な基礎的研究が行われています。2002年4月に改定が行われ、第3版として発行されました。
VPI職業興味検査は、160の具体的な職業名を提示し、それに対する興味・関心の有無を解答するこにより、6種類の職業興味領域に対する個人の興味・関心の強さを測定するとともに、個人の心理的傾向を5つの領域について把握しようとするものです。大学生等に対する進路指導や職業ガイダンスの用具として、職業との関わりにおいて自己理解を深め、望ましい職業探索や職業選択活動を促進するための動機付けや情報を提供します。
【検査の特色】
・検査項目に具体的職業名という一般的かつ簡単な素材を用いているため、検査に対する受験者
の防衛的な態度を取り除きやすく、また、積極的な関心を引き出すことができます。
・検査の方法が簡便で短時間で実施できます。実施および採点に要する時間は20分程度です
が、信頼性のあるさまざまな情報が得られます。
・受験者自身が、自分で実施・採点でき、さらに「結果の見方・生かし方」が用意されていますの
で、個別の職業相談時だけでなく、職業ガイダンスや就職セミナー等の集団場面でも活用できま
す。
・受験の際に見られる受験者の防衛的な態度を測定する尺度が用意されていますので、その得点
により結果の信頼性を評価する事ができます。
・検査項目および興味領域別の職業例示等は、職業情報探索の手がかりとして直接利用すること
もできます。
【2002年4月改定[第3版]の主な内容】
問題・解答用紙
・問題項目である職業名について再調査し、再標準化する事により、信頼性・妥当性を改良しまし
た。
・データ分析に基づき、新たに11の職業名を差し替えました。
・採点要領についての解説を簡略化し、受験者による自己実施をしやすくしました。
・問題・解答用紙と採点用紙の接合部分を糊付けに変えて、判型をA3判にしました。
結果の見方・生かし方
・用紙を4頁から6頁にボリュームアップして、以下のような結果の解釈や活用の便を図りました。
・解釈・活用部分をワークシート化し、実施後の運用の便を図りました。
・6つの職業興味尺度の提示順を、RISCEAから「興味の六角形」を反映したRIASECに変更しました。

・プロフィールにホランド理論に基づいた「興味の六角形」のグラフを描く欄を設けるなど、興味の
「文化度」や「一貫性」など、結果を解釈する上で、視覚的に理解しやすくしました。
・3つの尺度から構成される「興味パターン」に加えて、それらの組み合わせからなる「関連パター
ン」を書き出す欄を設け、「関連パターン」による職業探索もしやすくしました。
・職業例を50音順に並べ替えた一覧を付け加え、職業探索をしやすくしました。
・「VPI利用者のための職業ガイド」(2005年6月発行)でさらに詳しい職業情報を提供します。
実施にあたって
本検査は大学、短期大学在学生を対象として標準化が行われており、社会人に対して実施する場合には年齢、教育水準、職業経歴等を考慮して結果の解釈を行う必要があります。また、本検査では進路指導や就職ガイダンスの用具として開発されたもので、採用などの選考場面での使用は不適切です。